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第7話 問題の解決と準備資金

Author: みみっく
last update Last Updated: 2025-08-27 23:06:04

 領主がため息を付き「はぁ……そこの衛兵。こいつが、さっきなにか言ったか?」と聞いた。

「はっ。『覚えてろよ』と確かに言うのを聞きました」と衛兵が答えた。

「大人しくしていれば、何事もなく暮らせていたものを……バカ息子だな。しかし……約束を交わして5分も経たないうちに約束を破るとはな……」と領主が苦笑いをした。

 俺が領主を見つめると「そうだったな……鉱山での強制労働を8年をとする! 自分の愚かな行動を恨め」と言い、次に店主を見つめ「お前も、こんな息子を教育もせずに放置をした責任があるな……支度金の他に店の開店資金の支払いを命じる」と店主に言った。

「これじゃ働けないだろ! 俺はケガ人だぞ!?」と騒ぎ出した。

「お前、働く気満々なんだな……? ほら……。頑張って働けよ!」と言い、バカ息子の足に回復魔法を掛けた。

 というか……鉱山での強制労働とか、あるんだな……こわっ。

「俺は帰るぞ……あとは任せた」と領主に丸投げをしておいた。というか店の開店とか知らないし……俺がいても役に立つとは思えんぞ。

 帰ろうとすると、フェルシアが俺の服をガシッと掴んできた。

「……ムリムリ……ムリです。置いていかないでください」とエメラルド色の瞳をウルッとさせて見つめてきた。

 えっと……なに? と見つめ返すとフェルシアが領主と俺を交互にチラチラと見ていた。

 あぁ……領主と二人にするな……と言うことか。

「店の開店の手続きを、お前に任せても良いか?」と領主に聞いた。

「お任せください。詳しい者を手配しておきます」と言ってくれたので、これで解決だろ。フェルシアを見ると、ホッとした表情をしていたが、服を掴んだままで解放してくれそうにない。

「そろそろエドウィンと読んで頂けると嬉しいのですが……」と領主が言ってきた。

 そういえば……名前すら気にしてなかったわ……会うことは無いと思っていたしな。自己紹介という雰囲気でもなかったし。

「分かった。エドウィンと呼ぶことにするか」と答えた。

「ありがとうございます。解決しましたし、私は仕事がありますので失礼させていただきます」とエドウィンが帰っていった。

「それじゃ帰るか……」と呟くとフェルシアが頷いた。店まで送り届けた。

「ここが、お前の店だぞ。なるべく部屋の配置を変えずにいてくれると助かるんだが……」とフェルシアに言った。レイの思い出の場所だしな。

「分かりました。えっと……ユウさんは、どちらへ?」とフェルシアが聞いてきた。

「自分の家に帰るのだが?」と答えると不安そうな表情をした。

「また、明日に様子を見に来るから……」と言うと笑顔になった。

「絶対ですよ……?」とフェルシアが言ってきた。

「あぁ、賑やかになると思うぞ……」明日は、レイにユナも連れて来るつもりだしな。

「そうなのですか?」と首を傾げて聞いてきた。

「明日になれば、分かるって」と言い、帰宅した。

 帰宅し、皆に店のことを報告をした。

「レイの店、開店することに決まったぞ」と事情を説明をした。

「わぁー! ほんとー!? でも、その人だいじょうぶー? ユウ兄ぃの、あいじんさんだったりしてー」とジト目で見てきた。

「え? わぁ!? あり得るかもぉ……ダメだからねぇ」とユナが抱きしめてきた。

「むぅ……。わたしも……一緒に行きますからね……」とエリーも、頰を膨らませて腕を掴んできた。

 俺がエリーを見つめると、俯き小さな声で「一緒に行っては、ダメですかね……?」と呟いた。

 領主のエドウィンも協力的になってるし、大丈夫だろ……いざとなったら俺がなんとかする。

「大丈夫だと思うけど、気をつけような!」と笑顔で言った。

「わぁー! やったぁ。ユウさん好きっ♡」と王女様とは思えない喜び方をした。ユナの影響かな……

 エリーの柔らかな胸の感触が、ぷにゅぷにゅと押し付けられ気持ちが良い。

「用心のために……『ルナ』と呼ぶか」と言うとエリーの顔が、にぱぁ……と笑顔になった。

「わぁ……♪ 可愛い名前ですね。気に入りました……今から、わたしは……ルナですよ」と笑顔で二人に言った。

「わー! ずるーい、ボクは? ねぇーねえぇぇー?」とレイが抱き着き、顔を俺のお腹に押し付けてくる。

「わたしもぉ〜。可愛いのが良いなぁ♪」と後ろから抱きしめてきた。

「二人には必要ないだろ……。誰が誰だか分からなくなるぞ」と言い無視した。

 二人が可愛く頰を膨らませて、睨んできた。

「じゃー、ちゅう……してー」とレイが言ってくると、ユナも面白がって「それ良いねぇ……ちゅぅ♡ しよっ♪」と言ってきた。

「むぅ……わたしも……です」と珍しくエリーも言ってきた。

「あぁ〜エリーちゃんだけ2つ、ずるぅ〜い!」とユナがエリーに抱き着き言った。

「わたしは……事情があるんですよぅ……もお。二人だけズルいですよ」と言い、抱きついていた俺の腕を引っ張ると、ちゅぅ♡ と音を立てて唇を吸うようにキスをしてきた。

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